長野聖火リレー抗議アピール報告
長野行って来ました。準備も大変だったけど、夜中現地入り睡眠時間1~2時間、雨降りとかなりハードでした。
世界ウイグル会議の日本エージェントであるイリハムさんが、トルコから取り寄せた東トルキスタン国旗14本、僕が友達と作った2本、現地で合流した殿岡事務所が用意していた巨大な東トルキスタン国旗3本と普通サイズ3本くらい?、そしてネットで見て来たという方が3人程合流してくださり、それぞれ1本、1本、10本ほど用意していたのでかなりの数になりました。
集合は長野駅朝7時だったんで、少しばかり仮眠するつもりだったんですが、朝5時半くらいから外で中国人が騒いでいるとの情報が入り、更に駅前は両陣営が集まり始めているということだったので、急遽6時くらいに長野駅前に移動しました。
長野大通りを挟んで、駅側に中国国旗、反対側にチベット国旗が多かったんですが、僕ら東トルキスタンチームは駅前集合だったんで、駅側のほうで中国チームのすぐ傍で対峙するチベットチームに合流しました。
最初はフリーチベットコールなどをぼつぼつとやっていたんですが、しばらくするとシュプレヒコール慣れした右翼団体らしき人たちが拡声器2台もって来て、「チベット」「解放」などを2人で手分けしてやっていました。周りが言うべきコールを誘導するやり方は上手いと思いました。しかし中国政府や中国人への直接的な批判も多かったんで、純粋にチベットを支援する人たちには違和感持つ人が居たんじゃないかと思います。
対峙する中国人の数人が張られたロープを越えてこっちにかかって来ること3度くらい?全て警察に止められていました。
7時に殿岡事務所、南モンゴルのモンゴル自由連盟党のダイチンさんや南ベトナムの方々も合流し、そのまま抗議アピールを続行しました。事前に南ベトナムの人が15人くらい来るとは聞いていたのですが、彼らは東トルキスタンの旗を持ってくれるものと勝手に解釈していたので、彼らが用意していた南ベトナムの旗を見てびっくりしました。
大量に用意していた東トルキスタン国旗をどうやって持ってもらうか、こっちは5人で来ましたし、ネットで見たという合流した3人、これに30本の旗ですから、近くにいたチベットサポーターらしき人たちに手当たり次第持ってくださいとお願いしました。あまり説明せずに、東トルキスタンの旗だと分かってくれる人が多く、だんだんと東トルキスタン問題も知られてきているなと実感しました。実際、僕個人に対して「この旗は何ですか?」と聞いてきた人は、外国人2人と日本人2~3人だけでした。ただし、これはメディア関係者以外の人数。メディア関係者数人からも「これは何の旗ですか?」と聞かれました。
「これは何の旗ですか?」と一般の人から聞かれたのとメディア関係者から聞かれたのと人数に大差ない、つまりネットユーザーが多いであろう素人のチベット・サポーターは最初から東トルキスタン国旗と知っていた人が多かったものと思われます。東トルキスタンについての理解は、メディア関係者よりも、ネットユーザーのほうが先行しているようですね。
長野駅に聖火リレーがやってきて、さて次の場所に移動しようというときに、TV中継を見ていた友人から、東トルキスタンの旗ものすごく目立っていたよ、とのメールが入りました。ひとかたまりになって30本ほどの旗があったのが良かったようです。周りが真っ赤な中国共産党の旗ばかりでしたから、青い旗は目立ったんじゃないでしょうか。
2ちゃん上にアップされていた写真。借用させて頂きました。
長野駅前から次のアピール場所にした、長野駅裏の「栗田北中」まで駅の建物を通って移動しました。現場で始めてお会いしたネットで見たという3人の方々や、現場でいきなり東トルキスタン国旗を持たされた方々も一緒に移動してくださり、次の地点まで特に混乱もなく移動できました。
移動の途中、1人の中国人がイリハムさんと握手をしていましたので、中国人とも和やかに対話していくということもできるのかなと思いもしましたが、聖火リレー終了後車で帰宅中にそのときの話を聞いたところ、「冷静にやっていきましょう。」と言われて握手を求められたのだそうです。その中国人が言う「冷静に」というのは、中国の言っているところの一つの中国を前提にして冷静にという意味合いであって、半分馬鹿にした見下ろした態度で握手を求めてきたのだそうです。
次のアピール場所とした十字路では聖火ランナーの通る場所を確認した後に、道路の一隅の歩道を自分達の場所にしておこうと一列に並んで待つことにしました。ランナーが来るまで2時間もあり、到着後すぐにフリーチベットコールをした後しばらくは静かに待つことにしました。
ところが、道路に面して歩道で待っている僕らの前に、道路を歩いてわらわらと中国人達がやってきて、僕らを後ろに押しのけるようにして割り込んで来ました。警察も最初の数人には道路を歩くなと注意していたんですが、大勢が来たら黙認だったようです。
そのためチベット、東トルキスタン、中国の旗が入り乱れるような配置になってしまいました。聖火ランナーが来るころには段々とそれぞれでかたまってまとまりましたけど、やり方がいやらしいですね。
聖火ランナーが来るまでの2時間、色々なことが目の前でありました。
車から旗竿を突き出して中国国旗をアピールする人たち、あれは思いっきり道路交通法違反な訳ですが、そんなのが数台目の前を通り過ぎ、その度に沿道の中国人は歓声をあげていました。チベット国旗をもった人たちは車の窓を開けてそこから見せているだけだったんで、マナーの良し悪しでもかなりの差があるようです。
そんな中国国旗を窓から突き出す車や、チベット国旗を窓からのぞかせる車を何台か見送ったところで、チベット国旗を持ったバスに乗った一団がやってきたのですが、そのバスと沿道の中国人との間で言い争いが始まり、バスの窓からいきなりペットボトルが投げつけられていました。バスの人たちが降りてきて沿道の中国人と言い争いや物の投げあいを始め、そこを警察に治められてから少し移動した後、今度は道路の向こう側で殴り合いをやってました。鉄パイプで殴られて倒れている中国人がいたと、その様子を近くで見ていた方は言ってました。
彼らバスの一団は職業右翼の方々なのでしょうけれども、一般のチベットサポーターはマナーを守って抗議のアピールだけをしているわけなので、マスコミに格好の餌を与えるような暴力行為はやって欲しくなかったと思います。その日のTVニュースでも、「沿道で行儀良く応援する中国人に暴力を振るうチベットサポーターが居た。」というような言い方をするところがあったようです。実際には帰り際に中国人に殴られたチベットサポーターも数人いたんですが、そういうのは報道されないんでしょうね。
雨が強まる中やっと聖火ランナーが来そうな雰囲気になったので、ここでフリーチベットコールを始めました。僕らも拡声器を用意していましたので、「フリーチベット、フリーウイグル、フリーモンゴル」をひたすら言い続けていました。ちょうど僕らが居たところに、中国に虐げられる少数民族のうち主要な3つの民族が集まっていましたので、このようなコールにしました。みんな協力して一緒にコールしてくれて良いアピールになったと思います。TVには映されなかったかもしれませんけどね。
こんな感じで沿道での抗議アピールは終わり、本来ならそれから2時間くらい後にTSNJやSFT日本などが予定していたチベットサポーター達の集会に参加予定だったんですが、諸事情により僕らは参加中止となってしまいました。
長野駅前にいたチベットサポーターの方々は個人参加の方だったようですし、事前に色々と連絡を取り合っていたSFT日本の方々とは結局会うことができず残念でした。
今回のアピールはTVで中継されたこともあり、ウイグル人の友人らからもTVで見たよ、すごく感動したとの言葉が寄せられました。欧米でさえ現れず、トルコとオーストラリアくらいでしか流れなかった東トルキスタン国旗の映像が、いきなり日本で見られたのだから相当にびっくりしたようです。外国人である日本人が自分達民族のために頑張ってくれることにとても感謝していました。当事者である自分達が何もしていないことが恥ずかしくなったと言う方もいましたが、彼らには自分と親戚一同の安全がかかっているんですから、安全な日本人が表に出て頑張るしかないと思います。
僕らは30本ちょっとの東トルキスタン国旗の一団でしたけど、それ以外の場所にもちらほらと東トルキスタン国旗があったようですし、日本はネット上で東トルキスタンの問題が少しずつ知られるようになっていることが実感できました。あとはメディアが変わることですね。
実は今回の長野行きには、テレビ番組プロデューサーも同行してくださり、本当ならフジテレビの番組に出ると予想していたのですが、カットされてしまったようです。残念ではありますが、日本テレビの聖火リレーの中継では僕らの一団が、他の局の中継でもチラホラと東トルキスタン国旗が見られたということですので結果は残せたと思います。
次回は、胡錦濤の来日に合わせた抗議集会とデモに参加したいと思います。このときに今回会えなかったSFT日本の方々と挨拶できればと思ってます。他の民族の方々との連帯が実現されれば、もっと大きなうねりを作ることができるはずですし、頑張っていきたいと思います。