「シルクロードにおける中国の核実験災害と日本の役割」

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シンポジウム「シルクロードにおける中国の核実験災害と日本の役割」 bookmark

ウイグルホットラインにレポートがあります。


開催まで残り少ない時期になってからの突然の変更で申し訳ありませんでした。
諸事情により、櫻井よしこ氏がパネリストを辞退され、国際政治学者の藤井厳喜氏がパネリストをしてくださいました。
櫻井氏は辞退したものの、シンポジウム当日にはジャーナリストとして取材してくださいました。


 核の保有国、核実験を実施した国は複数あります。しかし居住区域で大規模な地表核実験をした国は中国だけです。周辺への影響を全く考慮に入れない核実験を行うという、まさに悪魔の所業といえるでしょう。
 中国は、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)の楼蘭付近で、1964-1996年に46回、総出力20メガトンの核実験を行い、周辺住民への甚大な健康被害と環境汚染とがもたらされています。しかし中国政府はその実験事実を公開せず、周辺での災害を隠蔽しています。
 シンポジウムでは、日本人科学者およびウイグル人医師から、核実験災害の調査結果が報告されます。それにもとづき、中国の核実験災害の問題点および国際社会における日本の役割を考えます。


【場 所】 東京都千代田区永田町1-1-1 憲政記念館
      丸ノ内線、千代田線 国会議事堂前駅 2番出口から徒歩7分
      有楽町線、半蔵門線、南北線 永田町駅 2番出口から徒歩5分
【日 時】 平成21年3月18日 開場 17:30 開会 18:30 終了 20:30
【資料代】 1000円
【講演内容】 1.「中国の核実験災害とその問題点」 理学博士 高田純氏
        2.「健康影響の調査」 医師 アニワル・トフティ氏
        3.「日本の役割」 国際政治学者 藤井厳喜氏
        4. 各団体よりのコメント
【主 催】 日本ウイグル協会会長/世界ウイグル会議日本代表 イリハム・マハムティ
【後 援】 放射線防護情報センター、放射線防護医療研究会、呉竹会、長崎の原爆展示をただす市民の会、任意団体イリハム応援団
【参考URL】  放射線防護情報センター http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/index.html
        世界ウイグル会議 http://www.uyghurcongress.org/jp/home.asp
        イリハム応援団 http://uyghurhotline.com/
        東トルキスタンに自由と平和を http://saveeastturk.org/jp/
【講演者】 高田 純氏 放射線防護情報センター主宰、札幌医科大学教授
       アニワル・トフティ氏 在英ウイグル人協会会長
       藤井 厳喜氏 国際政治学者


日本ウイグル協会会長 イリハム・マハムティ
イリハム応援団 代表幹事 白石念舟
TEL:03-3815-7815 FAX:03-3815-7816 MAIL:kessokyo@nifty.com
URL:http:// uyghurhotline.com/


*事前申し込みされる方は日本ウイグル協会宛にお願いします。
*宣伝用チラシはこちら
*開演から講演開始までの間に「Death on the Silkroad」を上映します。



東トルキスタン・ウイグルの核実験災害について bookmark

 中国の核実験とその被害については厚いベールに包まれていた。中国は1964年から1996年まで東トルキスタンのロプノールの核実験場において、延べ46回、総爆発出力20メガトンの核爆発実験を行った。1964年10月16日に20キロトンの地表爆発型の実験を始めて行い、また1967年には2メガトンの地表核爆発をおこなった。最大の核爆発出力は1976年11月17日の4メガトンの地表核爆発である。1980年までは空中、地表での爆発、そして1982年から1996年までは地下核実験が実施された。中国政府は核実験の被害状況を公表せず、また現地調査も許可しないため、これまでどの程度の被害が出ているのかは分からなかった。
 2008年に札幌医科大学の高田純教授がカザフスタンで集められたデータをもとに科学的に分析した結果、死者19万人以上、被曝者は129万人以上であると結論した。この調査内容が、「中国の核実験」として世界で始めて出版された。

 
 核実験の中でも「地表核爆発」は、地表物質(砂礫など)と混合した核分裂生成核種が大量の砂塵となって、周辺および風下へ降下するため、空中核爆発と比べて核災害の範囲が大きくなる。このような危険な実験を、中国政府はウイグル人の居住区で行うという暴挙を行ってきた。
 ロプノールから1000キロ離れたカザフスタンにおいても、人体に影響を与えるレベルの線量が報告されている。核実験は1996年まで行われてきたが、現在においてもウイグルの人々の健康被害と環境被害とは続いていると考えられる。1日も早い中国政府の情報開示と被害者の救済が望まれる。

 

「Death on the silk road」について bookmark

 中国の核実験が行われた東トルキスタンでは奇病、癌の発生率が中国のほかの地方に比べ高く、核実験の影響によるものと考えられる。1998年の7、8月にイギリスのテレビ局チャンネル4で、「Death on the silk road」というドキュメンタリーが放送された。このドキュメンタリーで現地調査したのがウイグル人医師で、現在の在英ウイグル協会のアニワル・トフティ氏である。
 アニワル氏はチャンネル4の取材班として東トルキスタンの村々を訪問し、被曝によると思われる人々の健康調査を行った。中国政府は核実験の際に、内地に影響が少なくなるよう、東から西に風が吹くときを選んで行った。このため、ロプノールから西に向けて核生成物質が大量に降下したと考えられる。実際に、口唇口蓋裂ばかり、あるいは大脳未発達の赤ちゃんばかりが生まれてくる村もあったという。中国は核実験の被害を公表せず、現地調査も許可しないため、40年以上に渡って被曝者たちは放置されてきている。
世界最初の核被災国であり、アジアの自由と民主主義のリーダー国である日本は、中国政府の責任のもと、現地の放射線衛生対策および核実験被害者の保証の実現に向けて、三民族を支援すべきと考える。


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