2014年07月28日ヤルカンド事件

ページ末尾へ >>



2014年07月28日ヤルカンド事件 bookmark

事件の概要 bookmark

2014年07年28日夕方、ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県において、イスラム教の断食月(ラマダン)明けを祝い集まっていた、お年寄りから子供を含む30名と15名の2つのグループの女性達が、「違法な宗教活動をしている」との密告により中国治安当局に殺害された。
家人である男性達は、夜の祈りのためにその場には一人もいなかった。

男性達が家に戻ると、母、妻、娘であった女性達の亡骸を目にする事となる。
男性ら親族は怒り悲しみ、彼女達の亡骸を持って地方政府に対し、事件の真相究明と責任者の処罰を求めたのだが、政府は彼等数百人が「派出所を襲撃した」として、反逆罪という名目で包囲し、殺害した。

これに対し、少なくともヤルカンドのウイグル人数千人が抗議行動に出たと見られ、軍隊の投入などで、抗議行動に参加したウイグル人が2000人~3000人以上の殺害されたという。

宗教に対する弾圧 bookmark

ウイグルにおいて、多くのウイグル人が信仰しているイスラム教が様々な形で、制限、妨害されている。
中国政府は、イスラム教の重要な行事であるラマダン期間中に行われる日の出から日没まで断食する宗教行為を、公務員や学生に対して禁止しており、また、その他の宗教活動にも参加してはならないとしている。
18歳未満の子供や公務員は、モスク(イスラム教寺院)に入る事が禁止されている。

イスラム女性の服装で特徴的な顔を隠すスカーフや、成人男性の証としての顎髭を生やした人やイスラム教の装束をした人が公共バスに乗車することを禁止している。

この様に、様々なイスラム教の宗教活動を制限する様な監視が行われているため、ウイグル人のアイデンティティ(存在意義)すら奪われる状態になっている。

その後の動き bookmark

2009年07月にウルムチで起きた事件とは違い、今回の事件では、中国政府は海外メディアを始めSNSなどのインターネットメディアを含め、この事件の情報が外部へ流失することを徹底的に防ごうとしている。

ラジオ・フリー・アジア(Radio Free Asia/RFA)の情報によれば、22歳のウイグル人男性が、中国当局がウイグル人数千人を殺害したという「噂」をインターネットに投稿したとして、中国当局に拘束されたとしている。


ページ先頭へ >>